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バックオフィス効率化

バックオフィス効率化トピック②

ハンコ電子化を始める前に理解しておきたいこと(前編)

  1. はじめに

久しぶりの更新となり、すみません。当社も設立から、早くも4か月が経過し、新型コロナ感染症が少し落ち着いた初夏で汗ばむ中、会社の設立準備に走り回っていたと思っていたら、あっという間に秋が来ていました。

新型コロナ感染症に関しては、米国では大統領もコロナに感染し、欧州でも再び猛威を振るうなど、ワクチンや治療薬の話もある一方で、なかなか収束が見えていません。

日本でも第三波が到来かと言われ、新規感染者数も再び増加傾向にあります。そのため、各企業でも早急に感染予防対策などを進めることが賢明であるといえるでしょう。 今回はそのような、感染予防策の一つとしてテレワークを推進する中での課題の一つである、ハンコ電子化について解説をしたいと思います。

  1. 今後もハンコ電子化が進む背景

新型コロナ感染症の拡大やその長期化を契機として、従業員の感染予防の観点や業務の効率化を意図して、大企業を中心に、テレワークを導入、もしくは、導入を検討する企業が増加しています。

一方で、出張・経費管理クラウドの株式会社コンカーの公表したレポート(ビジネスパーソン1032名を対象に緊急事態宣言中のテレワークに関する調査)では、従業員数が1000名未満の中小企業では、半数以上となる55%の人がテレワークを「ほとんど~全くできなかった」と回答しました。

この理由として、「経費精算・請求書・契約処理等のペーパーワーク」(33%)が全体の1/3を占め、次いで2番目に多かったのが「押印による承認業務(22%)」でした。

また、「ペーパーレス化の重要性を認識している」と答えた人は89%と、多くのビジネスパーソンがペーパーレスの重要性を認識しているという結果に対し、実際にペーパーレス化が進んでいると答えた人は55%と、理想と実態では乖離があることが分かりました。

最後に、「今後、あなたの会社で最もペーパーレス化して欲しい業務はなんですか?」という質問については、「経費精算」と回答した人が26%と最も多く、次いで「契約書」・「請求書の発行」となりました。

上記のレポートを要約すると、

「中小企業がテレワークを導入するに際して、多くのビジネスパーソンがペーパーレスを進めたいと思っているが、経費精算や契約書の押印などが制約となり、結果として半数以上がテレワークを実施出来ていない」

ということが分かりました。

今後も感染症の動向が不透明であり、政府がテレワークを積極的に推進していること、および、テレワークを導入することでの業務が効率化したなどのメリットも見えてきていることから、各企業としてもテレワークを進める動きは継続していくことでしょう。

その場合、テレワーク導入の制約となる経費精算や契約書押印などを解消する必要があります。

経費精算をペーパーレスする方法の1つとしては、弊社で導入を支援しているクラウド会計システムで経費精算のペーパーレス化も達成することができます。その解説は別の機会に譲るとして、今回はもう1つの制約となっている契約書などの押印業務を解消するためのハンコ電子化について解説をしたいと思います。

  1. ハンコ電子化を進めるにあたって検討すべきこと

ハンコ電子化を進めるべき背景については理解いただけたかと思いますが、実際に進めるに際して、まず、①「社内・社外でどのような押印業務があるのか」を整理する必要があります。その上で、②「押印の法的な効力」を理解し、③「どのような電子化ハンコを導入すべきか」を検討する必要があるでしょう。

① 押印の種類

一般的な押印業務が発生しているパターンを社内外に分けて以下のように整理してみました。

② 押印の法的な効力
③ どのような電子化ハンコを導入すべきか

押印の種類別に、主に法的な観点で押印が必須となる業務を洗い出しながら、どのような電子化ハンコが必要か確認していきましょう。

(1)-1. 申請資料

上長による部下の勤怠・経費などの申請資料についての承認や稟議書の決裁については、社内での承認・確認証跡の残し方として、電子印や承認ワークフロー、メールでの返信など、統一した方法の設定が重要であり、法的な観点では押印が必須ではありません。

そのため、Excelアドインの「Excel電子印鑑」や無料ツールで公開されているような電子印鑑でも可能です。

(1)-2. J-SOX証憑

上場会社やその子会社・関連会社などでは、金融商品取引法に基づく内部統制の評価制度(いわゆる、J-SOX法)が適用され、「財務報告にかかる内部統制」について、その有効性の評価を行い、また監査法人の監査の対象になります。

さらに、財務報告にかかる内部統制の評価を実施する際には、受発注伝票や検収の証跡となる納品書などの証憑が確認の対象となります。その際、担当者や上長が、ある取引について確認・承認した結果として証憑に押印証跡を残すことが一般的であるため、押印が必須と解釈されることがあります。

この点について、金融庁が公表している「内部統制報告制度に関するQ&A」の問47で以下の解釈が出されています(一部抜粋)。

(問47)【関連書類への印鑑の押印等】

内部統制の整備及び運用の状況に係る記録として、業務の実施者はすべての関連書類に印鑑を押印しなければならないのか。

(答)

1.内部統制の整備及び運用状況に係る記録(実施基準Ⅱ3(7)①ホ)については、経営者による評価や監査人による監査が実施できる記録が保存されていればよく、必ずしも、業務の実施者がすべての関連書類に印鑑を押印することは求められてはいない。

そのため、J-SOX関連の証憑についても、押印が必須とはなっていません。

こちらについても、社内でのルールが統一されていれば、Excelアドインの「Excel電子印鑑」や無料ツールで公開されているような電子印鑑でも可能です。

(1)-3. 会議資料

取締役会議事録については、「取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない」(会社法369条3項)とされています。

この際の、記名押印に際しては、代表取締役の選任など、登記手続において取締役会議事録が添付書類となる場合を除き、特段の印鑑の規定はないため、認印でも問題ありません。

一方で、「法務省令で定める署名または記名押印に代わる措置」を取ることにより、電子データでの作成(会社法369条4項)が認められていました。この「措置」について、会社法施行規則は「電子署名」(規則225条1項6号、2項)と定められていました。

しかし、新型コロナウィルスの感染防止のため押印手続を簡素化したい経済界からの強い要望などを踏まえ、2020年5月29日に法務省民事局参事官室が各経済団体へ周知した文書において、これまでの常識を覆す見解が出されました。以下は、その見解です。

「会社法上、取締役会に出席した取締役及び監査役は、当該取締役会の議事録に署名又は記名押印をしなければならないこととされています(会社法第369条第3項)。

また、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合には、署名又は記名押印に代わる措置として、電子署名をすることとされています(同条第4項、会社法施行規則第225条第1項第6号、第2項)。

当該措置は、取締役会に出席した取締役又は監査役が、取締役会の議事録の内容を確認し、その内容が正確であり、異議がないと判断したことを示すものであれば足りると考えられます。

したがって、いわゆるリモート署名(注)やサービス提供事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービスであっても、取締役会に出席した取締役又は監査役がそのように判断したことを示すものとして、当該取締役会の議事録について、その意思に基づいて当該措置がとられていれば、署名又は記名押印に代わる措置としての電子署名として有効なものであると考えられます。」

(注)サービス提供事業者のサーバに利用者の署名鍵を設置・保管し、利用者がサーバにリモートでログインした上で自らの署名鍵で当該事業者のサーバ上で電子署名を行うもの

上記の見解は、クラウドサインのようなクラウド型電子署名についても、上記会社法施行規則第225条2項を満たす電子署名であることを、法務省として初めて公に認めたものになります。そのため、取締役議事録についても、今後はクラウド型電子署名の利用が拡大していくものと思われます。

なお、代表権を持つ取締役を変更する際、新しい代表者を選任したことを証する書面など、引続き取締役個人の実印または電子証明書提出が必要なケースはありますが、こちらも今の菅総理大臣や河野行政改革・規制改革相が推し進めている押印廃止の流れを鑑みると、改正される方向であるかと思われます。

(補足)株主総会については、会社法上、署名押印義務はありませんが、定款で定められている場合は必要となります。

長くなりましたので、今回はこの辺までとさせていただき、(後編)では、(2)社外での押印パターンについて確認していきたいと思います。

最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました。

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バックオフィス効率化トピック①

バックオフィス効率化の重要性について

会社や事業を経営されている皆様へ

経理を担当されている皆様へ

会計・税理士事務所の皆様へ

近い将来、日本の労働力人口は人口減少を背景に
必ず減少します。必ずです。

すでに、仕事を獲得しようと思えば獲得できるが、
人が足りていないため受注を断っている方も多いのでは
ないのでしょうか。

この労働力不足解消のため、政府は“働き方改革”と題し、
働く人びとが、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、
自ら選択できるという改革を進めている最中でした。

この改革では、労働生産性を向上し、働き手を増加する、
一方で長時間労働を解消することを重要な課題として
あげています。

奇しくも2020年にこの改革を後押しする出来事が
起こってしまいました。

新型コロナウイルスの世界的な蔓延です。

法律や制度のあてはめだけでは進まなかった働き方改革も、
新型コロナウイルスはこれを一変させ、大企業のみならず
中小企業においても、真の意味での働き方改革が求められます。

既に、在宅勤務の拡大やそれに伴う通勤時間の削減、
リモート会議の日常化、家族という帰属意識の高まりなど、
いままで働き方や幸せの価値観を大きく変えているのでは
ないでしょうか。

このような価値観の変化を感じ取り、
経営者は変化に対応する必要があります。

一方で、在宅勤務実施時の障害として、
「オフィスに保存してある紙書類を確認できない」
「契約書や紙書類へのハンコがもらえない」
といった意見を良く聞きます。

そこで一層脚光を浴びているのが
バックオフィス業務の電子化・クラウド化です。

バックオフィス業務のクラウド化の代表例として
あげられるのが、クラウド会計です。

クラウド会計で大きな価値の提供を行っているのは、
現在2つ、マネーフォワードとfreeeです。

どこかでこの名前を目にしたことがあるかと思います。
このクラウド会計を導入することで解決される課題は
以下のとおりで、
ノンコア業務(*)を省力化し、コア業務に労働力を回せる
といったメリットがあります。

労働力不足への対応

■ ノンコア業務の大部分をクラウド会計システムが
  対応してくれる。

■ 単独で処理を行っていた請求業務、給与計算業務、
  経費精算業務をワンストップで連携して処理してくれる。

■ 自動処理の設定をしているため、担当の業務内容が
 可視化され、引継ぎ作業が容易となる。

多様な働き方への後押し

■ 文字どおりクラウドで処理がされるため在宅勤務でも
  効率的に業務が可能。

(*)ノンコア業務とは、重要な業務ではあるが、
その業務単体として利益を生まず、定型化しやすい
業務のこと。経理業務、請求書作成業務、勤怠管理・
給与計算業務、経費精算業務などを指すことが多い。

以上のとおり、解決できる課題やメリットをあげましたが、
今日、最もお伝えしたい点は、
メリットやデメリットの話ではなく、
世の中にある100%のノンコア業務がクラウド化、電子化
していく未来が間違いなくそこまできているということです。

(私も経験はありませんが)おそらく20年ほど前は、
紙とペンで経理業務や税務申告を行い、請求書や給与明細は
手書きで作成していたのではないかと想像します。
コンピューターが普及して、手書きの請求書や給与明細、
税務申告はほとんど見かけなくなりました。

紙かコンピューターかの選択が求められていた時代と同様、
コンピューターがあらゆる業界に広まった現在では、
従来のインストール型の会計ソフトを継続するのか、
クラウド型の会計ソフトを導入するのか
を選択する時代になってきています。

多様な働き方を求める時代背景からも、
先ずはノンコア業務に関しては、クラウド会計に近い将来
置き換わるということは断言できます。

規模の大小にかかわらず企業ではクラウド会計への切替えを
検討しはじめています。
早めにクラウド会計に置き換え、労働生産性をあげ、
コア業務への投資を行っていく必要があります。
また、デジタルネイティブ世代が就職したときに
ノンコア業務が非効率であれば飽きられてしまいます。
人材採用の観点でも、ノンコア業務の効率化は重要です。

また税理士・会計事務所においても、
経理システムのクラウド化に遅れをとらないことが
今後のキーワードとなってきます。
クラウドを提案できない事務所や、人手による記帳業務に
特化している事務所は、この急激な変化に取り残される恐れ
が高まってきています。
そのため、先ずは事務所のノンコア業務を試験的に
クラウド化することはいかがでしょうか。

その際は、マネーフォワードとfreeeの両方を導入し、
提案力を上げることを検討する必要があります。

次回は、マネーフォワードとfreeeの簡単な比較をしていきたいと思います。